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Naturarist
ナチュラリスト
​入門講座3-1

■ナチュラリスト入門講座 第3回目 アカネズミを知る

【トラップを組み立てる】

第3回目は、森に入ってネズミ用のトラップを仕掛けてネズミを捕獲。

ネズミの身体検査をする体験です。

目的のネズミはアカネズミという日本の固有種。

夜行性で単独生活。

地中に巣穴を掘って生活しています。

森や田んぼの畦道、畑、やぶなどに棲んでいます。

食べ物は植物の種、実、根や昆虫も食べます。

​秋にはドングリなどを地中に貯蔵します。

トラップは折り畳み式のシャーマントラップというブリキでできたトラップです。

​これを組み立てて、中にピーナッツを4粒入れネズミの通り道に置きます。

トラップを組み立てる.jpg

​組み立てられたトラップ

ピーナッツを仕込んで閉じる.jpg

エサのピーナッツを仕込んでいるところ。

​チェックのシャツの男性は今回の講師さん

大体5時ごろからトラップを置き始めました。

初めは駐車場の草ぼうぼうの石垣の下の地面や石垣の上。

その後森へ出かけてトラップを置くことにしました。

 

ネズミの気持ちになって考えてみます。

まず捕食者に狙われないよう道のど真ん中は歩かないでしょう。

多分端っこ、例えば土手に沿って歩くかもしれません。

水場には割と来るかも。

水を飲むだけでなく、餌になる小さな虫もいます。

というわけで小さな流れに沿って一つ、流れの上の段に一つ、広場の隅っこに一つ置きました。

受講生と講師さん、スタッフさんで手分けして全部で28個仕掛けました。

このトラップは翌日の早朝回収に行きます。

季節外れな雨蛙?.jpg

​自分のノルマを全部仕掛け終わってフト木をみると、そこに季節外れのアマガエルが。

【果報は寝て待て】

トラップを仕掛けた後は宿に戻り、広間で座学です。

スタッフさんから関西のシカの生息状況やシカと人間の関わりの歴史、講師さんからは日本に棲むネズミの話。野ネズミとイエネズミの違いなどのお話を聞きます。

日本によく知られているドブネズミやハツカネズミ、クマネズミの他に、野山に意外にもたくさんのネズミが暮らしています。

姿形はどことなくみんな似ていますが、講師さんおっしゃるように細かくみると、どれもちゃんと生活環境に応じた特徴があります。

尻尾が体と同じくらい長いネズミ。

吻が尖ってモグラのようなネズミ。

​さてさて明日は狙い通りのアカネズミがかかっているでしょうか?

果報は寝て待て.jpg

​「果報は寝て待て!」今日はゆっくり寝て明日の結果を楽しみにしましょう。

【漆黒の闇。早朝の森体験】

翌朝は早朝5時20分に宿を出発。

生憎の雨模様。

傘をさしてまずは宿の向にある駐車場に置いたトラップを点検。

どのトラップにも反応なし。

その後一行は森に向かいます。

日の出は6:15。

5:30現在、まだまだ漆黒の闇。

頭にセットしたヘッドライトの光だけを頼りに細い道を歩いて行きます。

森に程近いところで早朝の森体験…つまり、動物って早朝か、夕方頃から活動し始めるので、運がよければ何某かの動物に出会えるチャンスがあります。

前回はシカを見かけたとのこと。

昨日トラップを仕掛けた時シカの鳴き声が聞こえたので、ご本人様に会えるチャンスは「大」。

​参加者、スタッフ共々10メートル間隔くらいに離れて、それぞれの場所で早朝の森を体験します。

早朝5時半の森.jpg

私が陣取った場所。

​ヘッドライトが無いと目の前に何があるのか全く見えない漆黒の闇

しばらくビニール傘をポツポツと打つ雨の音を楽しみながらパイプ椅子に座っていると、どうやら目が闇に慣れてきた?

うすらぼんやりと山の稜線が見えてきました。

遠くで何某かの野鳥の声が聞こえます。

と思う間もなく、闇と言うものは一旦開け始めると意外と早いスピードで白んでくるようです。

気がついたら、あたりをシルエットで見渡すことができるほどになっていました。

​この早朝の森体験、残念ながら森の動物には出会えませんでしたが、なかなか貴重で面白い体験でした。

​ナチュラリスト入門講座3-2へ続く

しら〜と夜が明ける.jpg

​周りの風景がシルエットで浮かび上がって来る

【追記】

この調査体験は市町村に許可を得て実施しています。

 

ナチュラリスト入門講座3-2へ続く

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